保護者必見!内申点の取り方と最新の評価基準
内申点とは?仕組みと重要性
内申点は、中学校の成績を点数化したもので、高校入試の合否判定に用いられる指標です。正式には「評定」と呼ばれ、調査書(内申書)に記載されます。神奈川県の公立高校入試で内申点の対象となるのは、中学2年生と中学3年生の9教科の成績で中学2年生の9教科の成績は5段階評価で評価され、合計45点満点となり、同様に、中学3年生の9教科の成績も5段階評定で評価されますが、こちらは2倍に換算され、合計90点満点です。これらを合計すると135点満点となります。
内申点の付け方はどう変わった?
親世代と子世代の内申点の違い
三者面談で成績について話しているとこのような会話をよく聞きます。
「真ん中くらいの成績をまず取らないと。今のままだとオール3以下だから学校が選べないよ!」
「うちはそこまで高望みしないので、オール3くらいで入れる学校ってどこですか?」
2例とも親→子に言っていることです。私はこれらに大きく違和感を感じます。なぜかというとオール3=真ん中ではないからです。公立高校の内申基準表では偏差値50前後の高校ですと90/135〜93/135となります。冒頭にも書いた通り、神奈川県では中2の内申点+中3の内申点×2となる為、2年生と3年生が30/45〜31/45必要となります。オール3の場合ですと9教科×3=27となるので仮に2年生と3年生が27だと81/135となり、偏差値50前後の学校には届きません。
つまり、偏差値50前後を目指すには9教科中6教科が3、3教科に4が必要となります(一例ですが)。
以前の内申点の付け方(相対評価)
2001年までの公立中学校は、相対評価という評価の方法を採用していました。評定「5」の割合が全体の7%、「4」が24 %、「3」が38 %、「2」が24 %、「1」が7%と、割合があらかじめ決まっていたので学力レベルが高い生徒が集まった学校の場合、「5」が取りづらくなってしまいます。そこで2002年から評価方法が大きく変わりました。
現在の内申点の付け方(絶対評価)
2002年からは絶対評価という評価方法に変わりました。絶対評価とはあらかじめ定められた目標や基準を達成したかどうかで評価する手法です。周囲との比較をせずに評価するため、公平性が高く、不満が出にくいという特徴があります。この評価方法によって全体的に内申点の平均値が上がり、「4」や「5」の評定の割合は大きく上昇しています。
つまり現在の状況では、
5 → 優秀~そこそこ優秀 4 → そこそこ優秀〜普通 3 → 学力に不安あり 2 → 学力にかなり不安あり
という評価イメージの為、「3」がついている場合は学力に不安があるということになります。
内申点の評価基準とは?
【最新】内申点の評価観点
公立中学校の内申点(評定)は、各科目ごとに①「知識・技能」②「思考・判断・表現」③「主体的に学習に取り組む態度」の3つが設定されています。この中で一番注目すべきなのは③主体的に学習に取り組む態度」です。
主体的に取り組む態度は2020年まで「関心・意欲・態度」という評価観点でした。「関心・意欲・態度」では、授業中の態度(きちんと授業を受けているか)、挙手の回数やノートの綺麗さ・工夫などがポイントでしたが、適切な評価ではないとして今は無くなっています。
現在の評価観点
①提出物(ワーク、レポートなど)のポイント
まず提出物ですが、これは以前と同じです。最低限、期限内に出すこと。あと特に数学ですが、答えだけ書いて提出すると、解答を丸写ししたと思われてしまうのできちんと途中式を書くことがポイントです。
②振り返りシートの書き方
振り返りシートとは生徒が授業やテストなどの学習を振り返り、次の学びにつなげていくための記録シートのことです。「何を学んだのか」や「新しい発見や疑問点」を記述します。このシートにより学校の先生は授業の参加具合を確認しています。適当に書くことはせず、きちんと内容の濃いシートを書くように心がけましょう。
③授業での発表活動のコツ
2021年から始まったGIGAスクール構造によってタブレット(PC)が一人一台配布されています。生徒はPower Pointなどプレゼンテーション作成ツールを使ってプレゼン資料を作成し、発表します。
④定期試験で評価を上げる方法
旧観点では定期試験で高得点を取っても「関心・意欲・態度」が低評価の場合がありましたが、新観点では定期試験も評価基準に入っています。忘れてはいけないのか授業中の小テストや確認テストも「主体的に学習に取り組む態度」に含まれます。普段からきちんと復習をしてテストに備える必要があります。
副教科で内申点を取るには?誤解しがちなポイント
「足が遅いかと体育の評価は低い?」などの間違ったイメージ
「足が遅いから評価が低い」「歌が苦手だから音楽は2がつく」「絵の才能が無さすぎるから1か2」このような会話を塾内で生徒から聞きますが、これらは全て間違いです。相対評価の時代は確かにありましたが、絶対評価になってからは生徒一人ひとりの努力や成長が評価の中心となっているので、苦手なりに頑張れば評価されます。ペーパーテストがある場合はそちらで頑張れば巻き返しも十分可能です。
内申点のアドバイスはぜひシータへご相談ください
親世代の内申点の付け方と子世代の内申点の付け方は全く違うことがお分かりいただけたかと思います。もっと細かく、アドバイスを受けたいという方は横浜市鶴見区の学習塾シータへお問い合わせください。